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「交互作用が大きいとシステムが不安定」の説明をビーグル犬における薬の副作用を例にした説明について [【その他の品質工学関連】]

2018年5月9日
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「交互作用が大きいとシステムが不安定」の説明をビーグル犬における薬の副作用を例にした説明について
「動物の種類」は制御因子なのか?

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品質工学会誌( 品質工学会誌,Vol.1,No.3,pp6)の田口玄一,「品質工学と経済」より引用です。
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" 下流への再現性の検査に直交表、特に直交表L18を用いる。(中略)したがって、研究室の条件と異なる下流条件(実製品、大規模生産工程、研究室のテスト条件と異なるさまざまな使用条件)でも再現することが期待されるのである。  分かりやすい例で説明する。薬の副作用について最初から人間でテストするわけにはいかない。動物でテストする。昔は一定の動物、ビーグル犬でテストして副作用を調べることが要求された。ビーグル犬でテストして副作用がないからといって人間に副作用がないと言えるはずがない。ビーグル犬だけでなく、他の犬でも、マウスでも、さまざまな動物でも副作用がないということが確認できれば、下流の条件である人間でも(副作用が)ないだろうと予想できる。現在は、少なくとも2種類以上の動物で副作用のテストが要求されている。  他の制御因子の条件が変わっても効果が同じだったら、研究室と条件の異なる下流条件でも成立する可能性が高いだろう、と考えてよいことになる。したがって、いろいろな制御因子を直交表にわりつける実験の目的は、(後略)。"
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まずは、上記をお読み下さい。
「なるほど!」とも思えますが、「?」とも感じます。
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田口玄一氏の言いたいことを以下のようにまとめてみました。

薬の副作用について、多くの動物の種類で実験をします。

←左のような結果になったときは、
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「ビーグル犬」には、副作用が無しでした。
「マウス」には、副作用が有りました。
「サル」には、副作用が有りました。

「ビーグル犬」のみ副作用が無しでした(つまり、「マウス」と「サル」には副作用が現れた)ので、【人間で副作用無しの可能性は低い】=【人間で副作用が現れる可能性が高い】
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→右のような結果になったときは、
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「ビーグル犬」には、副作用が無しでした。
「マウス」には、副作用が無しでした。
「サル」には、副作用が無しでした。

複数の動物で副作用が無しでしたので、【人間で副作用無しの可能性が高い】=【人間で副作用が現れる可能性は低い】
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そして、
→右のような結果になったときは、
「動物の種類」とその他の制御因子の間に交互作用は小さいと言える。
制御因子間の交互作用が小さければ、下流(人間)で安定するので、副作用も無い。

というのが田口玄一氏の主張です。

これを読んで感じたのは、『「動物の種類」は制御因子なのだろうか?』ということです。
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【制御因子】と【ノイズ】の見分け方について説明します。

【制御因子】は、技術者の意思で決められる因子です。
【ノイズ】は、技術者の意思で決められない因子です。

「動物の種類」は制御因子でしょうか?

田口玄一氏は、
「下流への再現性の検査に直交表を用いる」という話題で、ビーグル犬の例を取り上げています。
よって、「動物の種類」は、明らかに【制御因子】として扱われています。

しかし、よく考えれば「動物の種類」は【ノイズ】だということが分かります。
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「動物の種類」という【ノイズ】に影響されない条件が、薬の最適「配合条件」です。
【ノイズ】に影響されないとは、「SN比が高い」ということです。

なぜなら、
「動物の種類」に関係なく、同じ結果が得られる(つまり、副作用が無い)からです。

よって、
ビーグル犬の副作用の例で「制御因子間の交互作用」を説明するのは不適切です。

【制御因子(薬の配合条件)】と【ノイズ(動物の種類)】の交互作用を利用して、副作用の無い最適条件を探すのです。
下流(人間)で安定(副作用が無い)な条件は、SN比で評価するのです。
「制御因子間の交互作用」は、全く関係がありません。
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